ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃
本作は、平成ゴジラシリーズの中では、異質である。
「昭和のテイスト」を醸し出し、前後に制作の作品とは一切関係性がなく、独立された作品であり、ゴジラのデザインも趣きが異なっている。ある意味では、『ゴジラ』(昭和29年)の正当な続編は、本作ともとれなくは無い。『ゴジラ×メガギラス G消滅作品』などは、『空の大怪獣 ラドン』の続編としての位置付け(制作~宣伝)の方が、良かったのではと思う事もしばしばであった。
さて、『大怪獣総攻撃』には、タイトルから外されたバラゴンと、計4体(モスラは幼虫~成虫)の怪獣が登場するのだが、知名度からの採用とはいえ、日本の守護獣ならば、バランやアンギラスの方が自然であるし(たしか、検討用の雛形も造られていたはず)、キングギドラとモスラは、この作品においては、設定と共に十分な活躍が望めるはずもなく、結果は周知の事実である。バラゴンは、及第点といったところだろうか。モスラと同様に、ゴジラに痛めつけられる怪獣として、久々に感情移入が出来たからだ。
神秘という点では、バランは外せないであろうし、『怪獣総進撃』でも、チョイ役で、着ぐるみさえも造られていないのだ。アンギラスは『ゴジラ ファイナルウォーズ』で復活を遂げたのだが、機会を逸したバランは、今後も期待薄であろう。逆に、それが『大怪獣バラン』の神秘性を保っていると言えなくはないのだが。
『ファイナルウォーズ』は散々なもので、暦代の名怪獣が、文字通りゴミの山の如く葬られていったのだ。「ゴジラシリーズ」にも関わらず、やたらと特撮以外が話題になり(しており)、本末転倒も甚だしいものだった。冒頭の、過去の映画の名場面(OP)のみが、好印象を残し、先代の偉大な御三方(田中プロデューサー、本多監督、円谷特技監督)を偲ぶには十分であった。
もしかしたら、『大怪獣総攻撃』製作の際の、怪獣選択の誤りが、「ゴジラシリーズ」終焉を招いた(早めた)のかもしれない。
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