『ウルトラセブン 超完結編 2002』 47
男には、自信があった訳ではない。しかし、ひとつの確信があった。変身道具であるバッジは、ウルトラの母に返してしまったが、その男の胸中の熱き魂は、若き頃と何ら変わっていなかった。男は左手を拳にし、固く握り締めたまま腰にあてがう。そして、右手の指を思いっきり広げると、天高く空に向かって掲げた。
「タローッウ」と叫びつつ。
すると、その男の姿は全身が「光」に包まれ始めた。その「光」は一点に収束され、やがて、何かに弾かれるかのように巨大化した。わすが、一瞬の出来事であったが、そこに姿を現したのはウルトラマンタロウ。男は思った。「やはり、そうだったのか。ウルトラバッジは光を収集する、補助の道具に過ぎなかったのか。少なくとも、今の俺には。自らの強い意志があれば、4番目の兄さんのように、変身可能なんだ。」
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