「さよなら ミラーマン」
言わずと知れた『ミラーマン』第51話(最終回)のサブタイトルである。脚本は山浦弘靖氏、監督は東條昭平氏(『帰ってきたウルトラマン』第33話「怪獣使いと少年」も監督)である。特殊技術は、矢島信男氏。
『ミラーマン』が放映開始されたのは、昭和46年12月5日、夜7時から。当時の夜7時といえば、町は暗く、店も閉まっていた(コンビニなんて、ありません♪)。小学生は、平気で夜8時、9時に就寝していた時代である。第1話を見た時には、子供心に「大人の世界」を「背伸び」して覘いたような感覚だったのを、今でも覚えている。「ウルトラ」とは異なる、画面の色使い。主に、敵のインベーダーが、サングラスをかけて夜の街を暗躍する印象が強く残ったからなのかもしれない。しかも、主人公の鏡京太郎は、防衛チーム「SGM」にも属していないのだ。「ウルトラマン」のような、派手なカラー(色調、設定ともに)とは無縁だったのだ。でも、鏡の前で「ミラー、スパーク」が流行ってました。学校の水飲み場やトイレの鏡の前ですね。
さて、最終回のサブタイトルと同じ「さよなら ミラーマン」という書籍が、大洋図書より10月15日に出版されるのだ。著者は鏡京太郎を演じられた石田延之(当時は、信之)氏。「ウルトラ」関係以外の円谷ヒーローの書籍(俳優さんの)は少ないので、ファンにとっては朗報である。石田氏は「鏡の国から来た男」というブログを公開されているので、興味のある方にはお勧めである。宇宙空間(鏡の世界)の温かみを感じてみてはいかがだろうか。
ちなみに、『ミラーマン』の最終回は、涙無くしては見られない「名作」である。
朝子さんにミラーマン変身の瞬間を見られてしまい、京太郎の正体がばれてしまう。最終回の正体バレは、当時の定番でもありました。最後の変身を、鏡の前で身を呈して拒む朝子。それを張り倒し変身する京太郎。2大怪獣も倒れ、惑星Xも粉砕され、地球には復興の兆しが蘇る。本作も、冬木透先生のBGMが完全にマッチしている。「ミラーマンの故郷」、「2次元の世界」を復興するために、夕陽が映える岸壁で朝子と別れ、変身する京太郎。ペンダントを残し・・・。
「喜怒哀楽」の「哀」、「哀愁」が、この「昭和」の時代の作品には息づいており、これが心の琴線に触れる要因のひとつでもあった(ある)と思う。
勿論、特撮シーンも頑張っている、というか凄い迫力。怪獣のオープン撮影によるビルの破壊や、群集から見た視線、ミニチュアセットと見所満載だ。CGではなく、実際に口から炎を吐く怪獣。逃げ惑う群集は、やはり視覚効果が大で、地割れに飲み込まれる人々も・・・。地球最後まで、あと5日という場面から始まる(第50話からの続編)のだが、どこかで見たことがあるようなライブフィルム(『ラドン』や『帰マン』)も効果的にインサートされており、得した気分にもさせてくれるのだった。
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» 期待の『さよならミラーマン』 [特撮ヒーロー作戦!]
ミラーマン…といえば、ウルトラシリーズに並ぶ円谷プロの名ヒーロー。
クールで硬質な雰囲気がまたウルトラとは違った魅力がありますよね(^-^)
その主役鏡京太郎役石田延之さん(信之改め)がこのたび本を出版されることになりました。
そのタイトルが『さよならミラーマン』と何とも意味ありげ。
私もほんの少しだけ関わらせてもらっている、ちょっと気になる本なのです(^-^)... [続きを読む]
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