円谷プロ 買収
10月17日、「円谷プロ」が「TYO」に買収される事が発表された。経営バランスの悪さが最たる要因のようだ。
年間の売り上げは56億円だが、最終利益は4400千万円。着ぐるみ等の保管料は4000万円以上との事らしい。かなり以前から問題になっていた経営問題だが、遂に大きな節目がやってきたようで、2週間前には、渋谷氏等の社員が意識改革を迫られる映像も流されていた。
吉田博昭社長(TYO)曰く「飛行機を天井からピアノ線で吊って飛ばす事を、観客が求めていない。」さらに、CGやアニメ、合成をフル動員して「もっと、格好いいウルトラマン」を作りたいとの事だ。一理あるかもしれないが、私達が「ウルトラ」に求めているのは、伝統芸能の域にまで達している、空気の質感をも含めた手作りだ。40年以上、ものすごく格好いいと思っている。
先にメディア制作云々よりも、収支のバランスを改善しながら(本来は、そのための買収なのでは?)、古き良きものを継承してもらいたいものだ。円谷プロの社員の方には「新しいものを取り入れるためには、古いものを捨てなくてはいけない。」と述べていたが、それならば「ウルトラ」以外をターゲットにした方が良いのでは、とも思ってしまう。
大ヒットした劇場版『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』のCGパート、特にゾフィーとタロウに失望したファンは多いはず。また、Uキラーザウルス・ネオとの最終決戦も、6兄弟の「人型ではありえないスピード感」への感情移入が少なかったのは事実。実質は、冒頭の初代マン、セブン、新マン、AとUキラーザウルスの激突。メビウスと星人(ザラブ、ガッツ、ナックル、テンペラー)のバトルの方が、映画の売り(CGパート)より勝っていたのは紛れもない真実だった。
極端な話、新作のウルトラがフルCGなら、「ザ★ウルトラマン」(アニメ版)の時よりも失望感が大きいかもしれない。(ジョーニアスは劇場版『ウルトラマン怪獣大決戦』で着ぐるみで登場している。)
どうも結末は、『ウルトラマンになりたかった男』(2時間ドラマ)のストーリーと合致しそうな予感がするのだが・・・。
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